気になるあの子はまひろちゃん。
今まで震えていたまひろちゃんの声が、しっかりと芯を持って呟いた。
「好きだよ。
あたし涼くんのことが好き。
友達だなんて思ったこと一度もないもん。
ずっとずっと好きだった」
繰り返される告白に、目を見開いた俺は反応が遅れて。
その隙にまひろちゃんは言葉を止めず続けた。
「席替えで窓際の席になったときからずっと気になってた。
いつもあたしと目が合うとすぐに逸らしちゃう、向かいの校舎の男の子。
名前が知りたいなってずっと思ってた。
見かけるたびに目で追いかけちゃって。
話せるようになったときに好きなんだってやっと気づいて」