気になるあの子はまひろちゃん。
ふと気づく。
まひろちゃんの大きな瞳から、ぼろぼろと溢れる大粒の涙。
「遅くまで残って先生の手伝いしたり、
倒した自転車を丁寧に起こしたり、
少し照れて笑ったり、
じゃんけんでいつも最初に出すのがぱーだったり、
目が合うとすぐ逸らしてもう一度合わせてきたり、
勉強の教え方が上手だったり、
いつも優しかったり、
うそをつくとき目を逸らしたりっ……」
昼休みがもうすぐ終わる時間帯だからだろうか。
自販機の前の廊下の人通りは無いに等しい。
「そういうところもほかのところも、全部好きなんだよっ……!」