気になるあの子はまひろちゃん。



……もう、好きだと言ってしまったのなら。


いっそ。



堰が外れて、溜め込んだ想いや気持ちたちが我先にと溢れ出す。



「……っごめん。ヘタレでごめん。好きなんです。まひろちゃんが好きです。かっこよくなくてごめん」



何度も謝罪と告白を繰り返す。


それは溢れて、止まらなくなっていた。



「ごめん。
 俺、嫉妬してたんだ。日下部さんのことまひろちゃんの彼氏さんだと思ってたんだ。それで、わかりやすく僻んだりして。まひろちゃんのこと避けようとして。

 ごめん。最低でごめん。ごめん、好きです。みっともない嫉妬しちゃうぐらいまひろちゃんが好きなんです……っ」



歯止めがきかなくなった想いをそのまま口に出した。

もうなにもかも隠さずに。


自分でもこんなにまひろちゃんに惚れ込んでいたなんて、知らなかったくらいに。


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