気になるあの子はまひろちゃん。



ぎゅ、と強く。

でも、壊れないように。


まひろちゃんの細い体を抱きしめる。



「今日、勉強会しませんか?」

「……それって、デート?」



俺の提案に思いもよらない返答が来て、

え、学校内の勉強会ってデートに入るのか?と内心首を傾げ考える。


ところが俺が返事をするよりも早く。



「でもあたし、初デートの行き先は自販機がいいな」



まひろちゃんがそう言って、今度こそしっかりと俺の顔を覗き込んできたから。



「……じゃあ今から初デートに誘ってもいいですか?」



もちろん、と元気良く返ってくる声。



「今日はミルクティー、涼くんの奢りね!」



まひろちゃんがいたずらっぽく笑った。









FIN /(気になるあの子はまひろちゃん。)

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