気になるあの子はまひろちゃん。
赤く染まっていく顔を腕で隠す俺は、付き合ってもうすぐ1か月たつ今でも彼女との近距離になれられず。
まひろちゃんはちょっと、無防備すぎる。
多分無自覚で。
距離が近いことに意識なんてしてないんだと思う。
それが俺にはまだ恥ずかしかったりする。
……どうせヘタレですよ。好きな子に早々手なんて出せませんよ。
「あ、あのねっじゃあね……っ!
これ、ともだちがくれたんだけど……」
「……チケット?」
「う、うん。
そのアニメのなんだけど。
だから……その、」
まひろちゃんにしては珍しく、もごもごと言い淀む。
そして。
「よかったら、
土曜日、あたしとデートしませんか……っ!」
両手に握ったチケットを差し出してきたまひろちゃん。
まっすぐ見つめてくるその顔が、ほんのり赤らむ。
……これは、もしかして、
まひろちゃんが、照れている……?