水曜日のクリスマス
「すみません、何か、マニアっぽくて……」
「いえ……わたしも毎日読んでました。とてもおもしろくて……」
わたしがそういうと、彼が笑顔になる。
何というか……わたしより頭一つ分高い彼。
大人っぽい彼が笑顔を見せると、急に子供っぽく見える。
いたずらっ子のような……でも、純粋な笑顔。
「この人の本はどれを読んでもはずれはないんです」
「そうなんですねー他の本も読みたくなってまた、借りに来たんです」
「どれもいいですよーゆっくり選んでください」
「ありがとうございます」
小声で話してはいたんだけど、司書の人がチラチラとわたしを彼を見ていたから、
話を切り上げて彼は目の前の本を見つめた。