水曜日のクリスマス
※ ※ ※
「ねー聞いた? 年末、休日返上だって」
「休日返上って?」
「大みそかまで休みなしみたい」
「うそ……それって、いつから?」
12月半ばの休憩時間。
同期で親友でもある瑞歩がどこかで聞いてきたらしい。
「いつからかはわたしも分かんないけど……ね、何か不都合なことでもあるの?」
「え?」
瑞歩がわたしを覗き込む。
「何か最近、怪しくない?」
「怪しいって?」
「ん、恋する乙女的な?」
恋する……乙女……。
瑞歩にそんなことを言われてしまうと、言葉が出ない。
恋する乙女ではない。
でも……彼が気になるのは間違いない。