水曜日のクリスマス
恋愛の大先輩、瑞歩にわたしは図書館での彼との話をした。
「はぁ? それで? 名前も聞いてないの?」
「……うん」
「呆れたっ。そんなことじゃ進むものも進まないわよ」
瑞歩がため息を落とす。
「陽代さぁ、中学生じゃないんだからもっとこう、ガツンといきなよ!」
「でも……」
「始まった。でも……じゃないの。だって、連絡先も知らないんでしょ? また来週も会えるとは限らないよ?」
そう、瑞歩の言うとおりだった。
毎週会えるとは限らない。
約束してるわけじゃない。
わたしは毎週、行ってるけど、彼だってたまたま来れてるだけかもしれない。
先のことは誰にも分からない……。