水曜日のクリスマス
「わ、わたしも……行くのが遅くなっちゃって……会えないと思ってました」
本当に……ダメだと思った。
もう、会うことはないと思っていた。
でも……ツリーがひき合わせてくれた。
「そうそう、これ」
彼が自分のバックの中から紙袋を出した。
シンプルな茶色い紙袋。
「クリスマスプレセントです」
「え?」
「これを渡そうと思って……」
「そんな……受け取れないです。それに、わたし、何も……」
「やっぱり……迷惑だったかな……」
淋しそうな彼の顔を見て、わたしは口を開く。
「そうじゃないんです。すごくうれしいです。でも、わたしは何も用意してないし、一方的に貰っちゃうと……」
「じゃぁ、どこかでご飯食べませんか?」
「え?」
「それが僕へのクリスマスプレゼントっていうことで……」
そう、笑顔になるとわたしもつられて笑ってしまう。