頼る甘える好きになる~幼なじみと絶賛両思い中!~
学校を出ようとしたのは、夜6時過ぎ。
外は真っ暗で玄関にいるのに肌寒い……。
「紬。先、玄関で靴履き替えといて」
「え?風真は?」
「ちょっと忘れ物」
あたしを玄関に一人残してどこかに行ってしまった。
テスト勉強期間で部活の生徒もいないせいか、一人っきりの静かな玄関は気持ち悪いな……。
寂しいや……。
少し古びたローファーを履き、待っていると大好きな人の足音。
「……遅いよ…風真!」
「寂しかった?ごめんね。……ほら、あげる」
「あ……プリン♪プリンだ!ありがとー♪」
「自販機の残り1個!あってよかった~!」
あたしの大好きなたっぷりのカラメルソースのプリン。
大切にカバンに閉まった。
「帰ろっか。ん、手は?」
「繋ぐっ」
差し出された左手を握ると、大きくてあったかい手があたしを安心させる。
テスト勉強頑張れそうです。