頼る甘える好きになる~幼なじみと絶賛両思い中!~
ほんとならここで先に帰るつもりだったけど………
風真といる時間がほしいな……。
玄関で一人、風真を待ってみる。
こんな日に限ってマフラー忘れるし、玄関からの隙間風が寒い。
待っても……いくら待っても玄関に来るのは他の補習者。
黒ネコが揺れるケータイで時間を確認すると、6時ちょっきり。
2時間くらい待ってるんだ………。
「……え?…つ、紬?」
「風真……。お疲れ」
「ずっと待ってたの?先帰れって言ったじゃん……手、すっげー冷たい…」
あたしの手を優しく握ってブレザーのポケットに入れる。
そして、あたしにふわっとマフラーを巻いてくれた。
微かに風真の香水の匂いがする。
「待たせてごめん……。これで少しは温かくね?」
「温かい……。ありがとう」
温度が1度上がった気がした。
風真が側にいるだけで、すっごく温かいよ。