頼る甘える好きになる~幼なじみと絶賛両思い中!~
「ってことでごめんね?風真……」
「そんな悲しい顔すんなよ~。紬は笑ってるのが一番かわいい」
「……ありがとう!じゃ、またねっ」
手を振る小さな後ろ姿を見送る。
終業式だから朱音と二人で駅まで遊びに行くみたいで……
彼氏の俺は一人ぼっち。
ちなも担任に呼び出しされていないしなぁー……。
前に紬に巻いてあげたマフラーを自分で巻きながら幸せに浸る。
「あっ…風真!久しぶり?」
「え、あっ!姫花じゃん……」
相変わらずの美少女でモテる噂の絶えないヤツ。
告白断ってから気まずくてあんま話してねぇや……。
「紬……いないんだねっ?」
「あぁ。朱音と遊びに行くんだって」
「そっかぁ……。ねっ、浮気でもされてたらどーする?」
「は?」
………ほんとに姫花?
くりくりした大きな瞳で俺を見上げる姫花は、俺の知ってる姫花じゃない気がした。