頼る甘える好きになる~幼なじみと絶賛両思い中!~
あたしの手を繋いでブンブン痛いくらい振る朱音。
朱音さん、痛いです。
「いっちばん速いの乗ろーよ♪調べてよ、日波!」
「んーっと……あっ!これじゃん!」
日波くんが指差す方を見れば悲鳴とともに、急下降のジェットコースター。
うわわわ………あたし気失うって!
朱音に連れて行かれるままにジェットコースターへ。
「紬大丈夫かよ。こういうの嫌いじゃなかったっけ?」
「大丈夫!で、でも……やっぱちょっとキツイかなぁ~…なんて」
怖いから隣に乗ってよ。
そんな女の子らしい言葉あたしには言えなかった。
言えない自分がもどかしくてつい風真のコートの裾を掴む。
「俺あんまりジェットコースターとか好きじゃねーなー!」
「え?風真さ、前好きって言ってなかった~?」
「嫌だよ!あ、紬~隣乗ってよ。てか乗れ」
「……うん!乗る」
あたしのためについてくれた小さな嘘。
ありがとうね、風真。