頼る甘える好きになる~幼なじみと絶賛両思い中!~
ボケーっとガラスの外を眺めるあたしの手を風真は優しく握った。
「ベタなことしていい?」
「へ………?」
握られた左手の薬指に感じた違和感。
目を移せばシルバーに輝く指輪。
「内側に俺と紬の名前入り!サイズ……意外とぴったりじゃね?」
「あ……」
ほんとだ。
あたしすら知らない指輪のサイズ。
風真が知ってるはずないよね?
嬉しさと驚きとが混じった感情を上手くコントロールできないや……。
「サイズは幼なじみの勘?あー……嬉しくなかった?」
「ううん……嬉しすぎてどうしていいか分からない…」
「なら取りあえず俺にキスでもしとけ……」
あたしの寒さで少しカサつく唇に優しく風真がキスをした。
心が溶かされて暖かさに満ちていく。
「ありがとう…!」
これが今のあたしに言える精一杯の言葉です。