頼る甘える好きになる~幼なじみと絶賛両思い中!~
チョコでパンパンに膨らんだカバン。
教科書は全部入ってないはずなのに重いー………。
「紬~帰るぞ」
「うん!今行く!」
教室でカバンを整理してる紬を置いて、先に廊下へ出た。
ちなは朱音の機嫌を損ねたから、今日は急遽デートらしい。
厳しい彼女持つと大変だな……。
それに比べて紬は、ある程度緩いっていうか……
束縛しないから気持ち的に一緒にいて楽しい。
それに、幼なじみだから信頼してる。
「風真!調度いい時にいたっ」
「姫花じゃん。どしたの?」
「ほら!今日って……バレンタイン……でしょ?」
デカイリボンが付いたカバンから、赤いラッピングのチョコを取り出す。
そいえば姫花からも毎年もらってたっけ。
「ありがと。もらっとくわ」
「うん…。喜んでくれると嬉しいな」
「……じゃ、また…っ」
俺が先を歩くと、制服の裾をギュッと掴む。
どうか紬が見てませんように……。
「相談があるの……」
どうするべきだ?
彼女と今から帰る約束を守るか、かれこれ10年いる友達の相談を聞くか……。