頼る甘える好きになる~幼なじみと絶賛両思い中!~
重たく流れる空気が、あたし達を包み込む。
「んじゃ……また。春休み明けに」
「うん……バイバイ」
あたしが軽くひらりと手を振ると、風真はあたしに背を向けて手を振る。
虚しさが残るあたしは立ち止まったまま。
教室の窓から空を見上げれば、ゆっくりと雲が流れていく真っ青な空。
「………風真…」
ポツリと名前を呟いても来てくれない。
意味もなく頬を伝う涙。
何も欲しくない……何も望まない。
ただ、風真には信じてほしかった。
それだけなんだよ。
一人で玄関に向かって待たせてる朱音の元へ。
朱音はあたしの大好きな笑顔で大きく手を振ってくれる。
「待ってたよ~紬!」
「ごめんね~!行こっか、朱音!」
「うん♪」
朱音のおかげで笑っていられそう。