頼る甘える好きになる~幼なじみと絶賛両思い中!~



着いた場所は旧校舎の教室。


埃っぽくて春なのに変な寒気がする。


「風真……あのね。もう一度…もう一度だけお願いがあるの」

「はぁー……なに?」


そう言うと姫花は俺の手を両手でギュッと握った。


すっげー冷たい手で。


「私のこと支えてくれるのは風真しかいないの……!風真しか私にはいないの……今も昔も」

「そんなことねぇだろ。紬だって朱音だって……友達じゃん」

「違う……。私…風真さえいてくれれば何もいらないよ?風真さえいてくれれば……」

「姫花?お前どうした?」


俯いてる姫花の顔は、カーテンが閉め切ってある教室じゃよく見えない。


コイツの考えは歪んでる……


とりあえずこのまま一緒にいたらマズイ。


旧校舎から早く出ないと………。


「俺行くわ……。出るぞ」


姫花の手を振り払い、背中を向けた。


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