頼る甘える好きになる~幼なじみと絶賛両思い中!~
俺が髪をセットしてると鏡越しに紬の不安そうな顔が写る。
「どした?」
「顔の傷と手の傷が痛々しくて……。なんで逃げなかったの?」
「単にカッコ悪いし……好きになった子くらい守りたかった、から」
こんな言い方したらもう好きじゃないみたいな言い方だ……。
紬は黙ったまま下を向いて、二人の間に重い空気が流れる。
「ごめんね……風真…。あたしが姫花とケンカっぽくなったせいで……。ほんとにごめんね」
「だーかーら!謝んなくていいの。殴ったりしてたの俺らだから」
「ううん。あたしは……風真の彼女よりも……幼なじみ失格だねっ」
そんな涙を溜めた目で言われても俺が切なくなる。
正直俺……嬉しかった。
あの殴りあいしてた時のことまだ覚えてるんだ。