頼る甘える好きになる~幼なじみと絶賛両思い中!~
すると、そんな幼なじみ風真はあたしのピンクのペンポーチを漁る。
………漁る!?
「ちょっ、人の筆箱勝手に漁らないで…!」
「お前が話聞いてねぇからだろ!」
「だから何よ!」
「西園さん、一条くん。うるさいです」
ピシャリと古典のおばさん先生が、あたし達の言い合いに終止符を打つ。
あたしが黙り込むと、風真はさも自分のモノかの様にまたペンポーチを漁った。
ったく……何であたしの使うのよ……。
彼女だっているのに………。
「紬。赤ペン借りるな~」
悪気のないコイツの笑顔で許してしまうあたしもバカ。
「あ、ヤベ。ワーク忘れた。つむちゃん見せて♪」
黙って古典のワークを差し出せば嬉しそうに受け取る。
彼女に借りればいいのにさ………。