頼る甘える好きになる~幼なじみと絶賛両思い中!~
たくさんの生徒が行き来する3年の教室へと繋ぐ階段。
左足に軽いヒビが入ってるあたしには、階段はキツイことこの上ない。
「ごめん……あたし歩くの遅い…」
「気にすんなって。ケガしてんだし、しょーがねぇじゃん」
「うんっ。はぁ~……いつもの倍疲れるね」
「……ん!おんぶしてやろっか!」
「気持ちだけで十分ですからっ!」
右手で階段の手すりを掴み、左腕は風真がギュッと支えてくれてる。
一人で登るより、全然登りやすい。
でも……おんぶはねぇ?
「そっか~。あ、姫抱きの方がよかった?」
「それ以前の問題よ!」
「騒いでたらまた転ぶぞー」
時間をかけてゆっくり、ゆっくり階段を登った。
教室に行くまでの廊下でも支えてくれて、風真はめんどくさそうな素振りさえも見せない。
どこまで優しいの?