頼る甘える好きになる~幼なじみと絶賛両思い中!~
そっぽ向いたあたしにさらに、追い打ちをかけるのが日波くん。
「紬ちゃんさぁ~……好きなヤツいるだろ?」
楽しそうな顔で話す日波くんは、あたしを指差す。
「いるわけない。なんでよ?」
「だって、恋してる女の子の目してる♪」
「はっ……はぁ!?」
「ちな~。あんまり俺の幼なじみイジメんなよ」
机に頬杖を付いて、余裕そうな表情の風真。
そうなんだよ………
風真にとってあたしは、ただの“幼なじみ”でしかない。
「とにかく……好きな人なんていないから。……朱音、廊下行こ」
「ちょっと紬~!?待ってよー!…もう!日波も余計なこと言わないの!」
「わりぃ!……でも…ほんとのことなんだよなぁ~…」
最後の日波くんの言葉まで聞き取れなかったあたし。
あたし……子供だ。
素直に気持ち表現できないとかダメじゃん!
あたしの恋模様はぐちゃぐちゃだ。