頼る甘える好きになる~幼なじみと絶賛両思い中!~
浴衣を持ってキラキラした目で嬉しそうに笑う。
こういうとこ女の子って感じ。
「じゃ、ちょっと家帰るわ。俺も準備して来る」
「浴衣着て待ってるね!」
「ん。カラメルも待ってろよ~」
「……ニャーッ」
紬の親は相変わらず仕事でいない。
寂しいのか、わざわざ俺を玄関まで見送る。
紬の家を出てから大変なのが俺。
ここのマンションから歩いて10分の公園で夏祭りをしてる。
公園まで走って行けば時間短縮できるよな。
俺はこの蒸し暑い中、全力疾走で賑わう夏祭りへ。
「兄ちゃんも珍しいね。一人で祭りかい」
「そーなんです。金魚すくい……1回お願いしまーすっ」
屋台のおじさんから見たら、相当不思議だろうね俺。
こんな得意気に金魚すくいやります!とか言ってるけど、すっげー苦手。
すぐに穴空くんだよなぁ。