頼る甘える好きになる~幼なじみと絶賛両思い中!~
「あーぁ……」
ポイの穴を覗けば浴衣美人……じゃなくて屋台のおじさん。
「兄ちゃん残念だってねぇ。次は彼女でも連れてきな」
「……彼女ドジして脚ケガしてるんスよ。それで来れてないっつーか…」
何気なく言った俺の一言。
金魚を1匹袋に入れて紐で縛るおじさんの手が止まった。
「彼女のために来たのかぃ?」
「ははっ……まぁ、そんな感じです。祭りの雰囲気味わいさせてやりたくて」
縛りかけの紐をほどいて、もう1匹金魚を袋に入れるおじさん。
え……?
もしかして、2匹もくれんの!?
「ほら兄ちゃん。これで好きなヤツ喜ばしてやりな」
「でも……いんですか!?」
「さっさと持ってけ!」
「……ありがとうございます!」
2匹の金魚を大切に気にしながら、小走りでマンションに戻る。
ほんとにおじさんありがとー!