頼る甘える好きになる~幼なじみと絶賛両思い中!~
久しぶりに勉強、受験のことを考えない放課後。
夕陽が射し込む教室で、グラウンドの木々が紅く染まったのを見る。
3年間って思ったより早かったなぁ~……なんて思ったり。
「なにボーっとしてるの?風真らしくないよ?」
「ん~……。ずーっと紬のこと考えてた」
「変な妄想とかしないでよねー」
「そんなこと考えませーん」
机に頬杖をついて窓の外を眺めてると、俺の前の席に座った紬。
今日は勉強なんて関係ナシで、ただ紬と話したかっただけ。
要は好きな子と時間を過ごしたいってこと。
「あたし……ほんとにいいのかな?地元出るって……初めてだからさ…」
「不安なの?」
「……うん。家事も苦手なのに一人暮らしってヤバイよね?」
「大丈夫だっつーの。不安になったら俺が行ってやるって言ってんじゃん」
「遠いから厳しいと思うよ~」
笑いながら聞き流す紬の横顔は、どこか切なくて俺まで苦しくなる。
紬の不安を少しでも取り除いてやりたい。