頼る甘える好きになる~幼なじみと絶賛両思い中!~
ギュッと手を繋いでくっつく帰り道。
いい感じに夕陽が傾いて、俺らの影を大きくする。
あと何回こうして帰れるんだろ?
あぁー……やめた。
考えてたら切なくなってくる。
「風真…?」
「どーした?」
「最近……考え事してるね…。あたしが離れたら寂しい?」
寂しいに決まってるじゃん。
当たり前だから何も言い返さない。
こういう時、言葉にしなくても伝わる“幼なじみ”は便利だ。
「あたしも寂しいな……。風真と同じ気持ち」
「俺は寂しいなんて一言も言ってませーん」
「そっか」
伝わってるはずだけど、嘘ついた……。
切ない気持ちを隠しきれなかった俺は、紬に不意打ちでキスをする。
歩道のど真ん中。
「……ごめん。やっぱすげー寂しい」
初めて幼なじみにしたかもしれない作り笑顔。
情けない俺を許してな。