頼る甘える好きになる~幼なじみと絶賛両思い中!~
教室の黒板にはデカデカとカラフルなチョークで『卒業式』と書かれている。
早く来た女の子が書いたんだね。
「紬~!おはよーっ!」
「うわぁっ!朱音ー!久しぶりー!」
「今日で卒業だね~。はぁ~……寂しい」
「あたしも寂しいや……」
グランドの桜の木を窓からジーっと見詰めてみる。
あ~……また涙でてきた……。
「あっ!紬。さっき姫花に話しかけられてさ……」
「姫花がどうかしたの?」
「女子トイレの前に来てほしい……だって…」
「うん……分かった」
「あたしも行こっか?」
不安そうな顔をしてあたしに言う朱音。
卒業式にまで朱音に心配かけたくないし、あたしは大丈夫。
駆け足であたしは女子トイレに向かう。