頼る甘える好きになる~幼なじみと絶賛両思い中!~
ケータイ片手に走って教室から出た。
早く紬の声が聞きたい………
そんな思いで着信ボタンを押す。
「……紬?」
『あっ!風真~。久しぶり!元気にしてた?』
「まぁ、そこそこ。お前は?」
『あたしもそこそこ』
久しぶりに聞く変わらないアイツの声。
声を聞くだけで心地よくなって安心する。
馴れない土地で上手くやってるか?
内気で人見知りな紬に友達はちゃんと出来たのか?
困ってることはないか?
聞きたいことは山程あるけど、今は我慢。
『あのね!あたしちょーど1週間後から夏休みなの。それで、そっち帰るから!』
「ん、分かった。でも今の俺実家住みじゃないから」
『え!嘘!?風真も一人暮らしかぁ。あたしと一緒だねっ』
「そーだな。じゃ、そろそろ講義戻るわ」
『講義だったの?ごめんね~。じゃ、また♪』
ちょーど1週間後ってことは……
俺の方が夏休みに入るの遅いんだ。