頼る甘える好きになる~幼なじみと絶賛両思い中!~



ま、いっか。


講義終わってからでも迎えに行ってやろ。


すーっと静かに講義の教室に戻れば俺の前の席のヤツに話掛けられる。


「風真~。誰から電話だよ?女?女だろっ」

「啓大(Keita)には関係ないことだ。ほら、前向けって」

「誤魔化すってひどいなぁ~」


大学に入って一番最初に仲良くなったヤツが啓大。


真っ赤に染めた髪が特徴的で、両耳にいくつも空いたピアスがあまり人を寄せ付けない。


見た目はアレだけど、友達だといいタイプ。


「なぁなぁ、風真。来週から夏休みじゃん?」

「そーだな」

「最後の講義の日にパァーっと合コンしよーぜっ♪」

「だから俺には大切な彼女がいるんですー」


つい2週間前に同じ大学の彼女と別れたらしく、暇さえあれば俺を合コンに誘ってくる。


これさえなきゃ、ほんとにいいヤツ!


< 243 / 281 >

この作品をシェア

pagetop