頼る甘える好きになる~幼なじみと絶賛両思い中!~
ま、いっか。
講義終わってからでも迎えに行ってやろ。
すーっと静かに講義の教室に戻れば俺の前の席のヤツに話掛けられる。
「風真~。誰から電話だよ?女?女だろっ」
「啓大(Keita)には関係ないことだ。ほら、前向けって」
「誤魔化すってひどいなぁ~」
大学に入って一番最初に仲良くなったヤツが啓大。
真っ赤に染めた髪が特徴的で、両耳にいくつも空いたピアスがあまり人を寄せ付けない。
見た目はアレだけど、友達だといいタイプ。
「なぁなぁ、風真。来週から夏休みじゃん?」
「そーだな」
「最後の講義の日にパァーっと合コンしよーぜっ♪」
「だから俺には大切な彼女がいるんですー」
つい2週間前に同じ大学の彼女と別れたらしく、暇さえあれば俺を合コンに誘ってくる。
これさえなきゃ、ほんとにいいヤツ!