頼る甘える好きになる~幼なじみと絶賛両思い中!~
あたしがわざと風真にベタベタくっついて座っても触ってすらこないし……
手を繋いでも握り返してこない。
久しぶりに大好きな風真に会えたのに不安と寂しさしか募らないよ……。
そんなシーンとした空気に気付いたのか、風真がやっと話す。
「卒業式……どうだった?」
「みんなで写真撮ってー…バイバイした」
「どこの大学もやっぱ一緒だな」
こんな他愛のないことだけど……嬉しい。
でも……肝心な気付いてほしいことに気付いてくれない。
あの時の“約束事”を風真は覚えていますか?
あたしはずっと忘れてなかったんだけどな……。
「あっ……そうだ。紬はこれからどーすんの?」
「一応、内定決まってるけど…。どうかしたの?」
「いやっ、俺も就職決まってるからさ」
「……そっか」
風真……絶対にあたしに何か隠してる!
幼なじみの勘!