頼る甘える好きになる~幼なじみと絶賛両思い中!~
海に行くと、他にも花火をしている先客が意外といる。
やっぱみんなやるんだなぁ~……。
海の家の横に積み重ねてあるサビたバケツに水を張って準備万端。
「風真って線香花火最初派?最後派?」
「つーか線香花火って最後じゃねぇの!?」
「朱音が最初にやるって前に話してたの。あたしも最後」
「だよな~」
花火を丁寧に袋から取り出す紬。
楽しそうにろうそくから火を付けて、キラキラ闇夜を照らす。
「パチパチする花火!風真もやろうよっ」
「パチパチすんのどれだよ」
「ん~っとね………これ!……あ!花火終わっちゃったじゃん!風真!」
「は!?俺のせい!?」
右手に花火。左手にケータイ。
その姿を見ると写真撮りたかったらしい。