頼る甘える好きになる~幼なじみと絶賛両思い中!~
珍しく日波くんが会話に入ってこないと思うと、風真の隣で他の女の子と話に夢中。
一瞬だけ……ほんの一瞬だけど朱音が寂しい顔をした。
ホテルで1日休んでからは、クラスごとに歴史ある観光名所を回る研修。
あたしはずーっと朱音といるけど、必ず目の前には風真がいた。
「俺、足疲れた~。紬ーどっか行かね?」
「ヤダ。ここから離れたら迷子になるし」
「方向音痴じゃねぇから大丈夫!」
「ダメなモノはダーメ」
あたしは風真の背中をパシッと叩く。
つまんなさそうな顔をして、渋々観光名所を回る。
ただ、ここから見える海は水色で透明ですごくキレイ。
「風真と行けばよかったじゃん…!もったいない!」
「へ……?」
朱音が背伸びをしてあたしに小声で耳打ちする。
「行くわけない。目立つのヤダ……」
あたしと風真が付き合ってることは、朱音と日波くんくらいしか知らないはずだし。