頼る甘える好きになる~幼なじみと絶賛両思い中!~
壁掛け時計とにらめっこする俺は、勢いよく開かれた会議室の扉の音で一気に現実へ。
ったく……もう少し優しく開けろ。
優しく!!
「あー……すんません。遅れてましたぁ」
「はぁ~………早く席つけ」
むらなくキレイに染められた金髪。
着崩した制服の胸元から覗くのは、ゴツイシルバーのネックレス。
お~………チャラい。
「アンタも同じくらいチャラいって……」
「読まれた~。さすが幼なじみ」
「伊達じゃないでしょ?」
「ん。そーだな……」
ニヤッと笑う紬の手を机の下で握る。
誰にもバレないようにそっと。
昔からそうだ。
紬の手は小さいのにあったかい。
そんな幸せに浸ってるのも束の間、実行委員会が終わり解散。
「ふぁ~……帰るぞ紬」
「あっ、うん!ちよっと待ってね!……あっ」
プリントをまとめて立ち上がった紬は、机に脚を引っ掛けた。
危ない……!