頼る甘える好きになる~幼なじみと絶賛両思い中!~
文化祭が近づくにつれて増えてく実行委員会。
それとともに増えてく俺の嫉妬。
そう、全部この嘉瀬って後輩のせい……。
こんな後輩相手に真剣になる俺もバカっぽいけどさ………
そんくらい紬が好きなんだよ。
「ね……あ、あの…。風真…?」
「なに?」
「何かあったの?そのっ……機嫌悪いから」
「悪くねぇよ。黙れ」
「そんな言い方しなくてもいいじゃん……」
ほら……こうやって俺が紬に冷たく当たってしまうんだ。
俺から目を逸らして悲しそうな目が、キレイな黒髪から覗く。
言いたいけど言えない「ごめん」の3文字はあまりにも重い。
「あっ♪みーつけたっ!紬さーん!」
「か、嘉瀬くん!……」
「え?なになに?彼氏さんと気まずい雰囲気?彼女には優しくしなきゃ~」
「………帰る」
「へっ?ふ、風真!?」
嘉瀬と紬が仲良くしてるとこ見せ付けられるくらいなら家帰りたい。
「……風真!待ってよっ……なに考えてんの~?」
「それ聞きたいのこっち。今日はアイツにでも送ってもらえば?」
言っちゃいけないこと言ったかも………。
涙目の紬は見たくないから、そのまま背中を向けた。
ごめん………
ほんとにごめん。
文化祭の時期にケンカなんて何してんだろ………。