頼る甘える好きになる~幼なじみと絶賛両思い中!~



こんな後輩に惑わされてるあたしも完全なるバカじゃん……。


どうか風真に会いませんように………。


「あ……。紬さんの~彼氏さんじゃね?」

「へっ…風真?」


あたしの願い事なんて叶わず、向かいから歩いて来たのは確実に風真。


うわぁ~………気まずいことこの上ない。


そんな風真の隣には女4人、男2人という明らかに数合いませんね、な状況。


「めっちゃモテるもんね。紬さんの彼氏。俺らの学年でも有名だよ?」

「……そっ。早く行こ」

「えっ!ちょ、紬さん。話さなくていいの?」

「別に?だって話そうと思えばいつでも話せるし、今話したい気分じゃない」

「ふ~ん。もうちょっと紬さん彼氏にぞっこんかと思ってたな~」


ぞっこんですとも。


だから会いたくないし、しなくてもいい強がりをしたの。


あたしは下を向いて風真の横を通り過ぎた。


< 84 / 281 >

この作品をシェア

pagetop