頼る甘える好きになる~幼なじみと絶賛両思い中!~
こんな後輩に惑わされてるあたしも完全なるバカじゃん……。
どうか風真に会いませんように………。
「あ……。紬さんの~彼氏さんじゃね?」
「へっ…風真?」
あたしの願い事なんて叶わず、向かいから歩いて来たのは確実に風真。
うわぁ~………気まずいことこの上ない。
そんな風真の隣には女4人、男2人という明らかに数合いませんね、な状況。
「めっちゃモテるもんね。紬さんの彼氏。俺らの学年でも有名だよ?」
「……そっ。早く行こ」
「えっ!ちょ、紬さん。話さなくていいの?」
「別に?だって話そうと思えばいつでも話せるし、今話したい気分じゃない」
「ふ~ん。もうちょっと紬さん彼氏にぞっこんかと思ってたな~」
ぞっこんですとも。
だから会いたくないし、しなくてもいい強がりをしたの。
あたしは下を向いて風真の横を通り過ぎた。