頼る甘える好きになる~幼なじみと絶賛両思い中!~
がしっ………
左腕を力強く掴まれる。
掴んできた相手はあたしの大好きな人。
「……離して?」
「あぁ……わり。でも……アイツのこと好きんなんなよ」
「関係ないじゃん。てか相手後輩だよ?警戒しすぎ……」
「お前が警戒心なさすぎだから言ってんだよ。……そんだけ」
人混みに紛れて消え入りそうな弱々しい風真の言葉。
いっそのことなら早めにこの人混みに溶け込みたかった。
でも、そんな重たい空気はすぐに割れた。
「もういい?紬さんと俺……これでも一応、委員の仕事中」
「ほんっとお前の金髪見るだけでイライラすんだけど?」
「俺のチャームポイントでーすっ。さ、行こ!紬さん♪」
「うん……行こっか」
こんなに虚しくなるんだもん。
幼なじみで長くいすぎた分、お互いの気持ちが分かって痛い。