頼る甘える好きになる~幼なじみと絶賛両思い中!~



とぼとぼ力なく歩いて回って来たのは人の少ない職員室や保健室の辺り。


先生だってみんな文化祭に混じってるからいない。


「ね?紬さん。職員室見てこよ。誰もイタズラしてないか」

「……うん。いいよ」

「元気ないなぁ~。やっぱ彼氏じゃないとヤダ?」

「そういうことじゃない!全然、大丈夫!」


職員室に足を踏み入れれば、事務のお姉さんしかいなくてすぐに引き返した。


残るは保健室。


保健の先生は他の特設してある保健室にいるためにいない、はず。


「次は保健室かっ」

「そうだね。やっと終わる」

「そんな寂しいこと言わないでよ~。俺は紬さんと離れたくないなっ」

「お世辞言わなくて結構よ!さっ、早く終わらせよ」


二人で入った保健室。


その瞬間、あたしの背後でカチャっと鍵の閉まる音が妖しく響いた。


え………


なにが起こってんの……?


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