頼る甘える好きになる~幼なじみと絶賛両思い中!~
パシン………
乾いた音が鳴り響く気持ち悪いほど静かな保健室。
気付けばあたしは璃玖くんの左頬をビンタしていた。
「いって……。やられて……当たり前、か」
「これだけで済ませたあたしに感謝ね。早く出てって……」
「ねぇ……俺の片思い伝わんない?」
「……伝わらない。そんな…キスだけで伝わるわけない…。だって風真じゃないと……っ」
あたしの唇にぴとっと当てられた細い人差し指。
泣きそうな目をした璃玖くんがあたしを見下ろす。
「はぁ~……委員なんてやんなきゃ良かったわ。くじ運ねぇーな……ほんっと」
「あたしだって……く、くじ引きっ……の…アイツのせいでっ…」
「その強がり……彼氏の前ではもうちょい素直になんなきゃねっ」
あたしの頭をくしゃくしゃ撫でて保健室から出てった自分勝手なヤツ。
真っ白のシーツに落ちる大きな雫。
どうしていいか分からなかった……。
風真……ごめんね……。