頼る甘える好きになる~幼なじみと絶賛両思い中!~
なかなか見当たらない紬。
メールしても電話しても絶対に出てくれない。
ここまでしぶといか……。
校内を探してると保健室の前でなぜか立ち止まった俺。
「あ……ヤバイ。幼なじみの勘」
カチャっとドアのぶに手をかけて中を覗く。
誰もいないはずの保健室で、カーテンが閉まってる場所が1ヵ所。
静かにカーテンを開ければ小さな後ろ姿。
「……紬?」
「ふ、風真!?」
「何してんの?具合悪いの?保健の先生んとこ行く?」
「……ち、違う………しないで…」
「え?」
声が小さくなる紬の顔を覗くと、久しぶりに見た幼稚園以来のコイツの泣き顔。
「優しくしないでっ……っ」
「こんな時まで強がんなって。な?」
素直じゃない強がりな紬は、俺に背中を向けて嗚咽だけが聞こえる。
だから、何も言わずに紬の背中に俺の背中を合わせた。
「……ほんとに…ごめん。……あ、あたしが風真の言うこと聞かないから…」
「まず、何あったか俺に正直に話せ」
「怒んない?」
「怒るわけがない」
泣いて鼻声の紬からは、耳を疑いたくなるような一言。