頼る甘える好きになる~幼なじみと絶賛両思い中!~
「キ……キス………したの…」
耳が痛くなるほどシーンとした保健室。
紬の声、言葉だけがゆっくり浮かぶ。
俺の隠せない動揺が滲み出てしまう。
「キスって……だ、誰と?」
「り、璃玖くん……嘉瀬くんと…。でも違うの!あたしっ無理矢理で……信じて!」
「分かった。分かってるから……」
「……ほんとに信じてよ……ごめんなさいっ…」
俺の背中越しに聞こえる弱々しい紬の声。
信じてる。
紬のことは誰よりも俺が一番信じてる。
「もう泣くなよ……いいから」
「ヤダ…!」
「なんで?目、腫れるぞ?」
「だって風真怒ってるもんっ!あたしのこと嫌いになった……っ!」
はぁー………
子供みたいに泣きじゃくる理由が分かんない。