頼る甘える好きになる~幼なじみと絶賛両思い中!~
保健室から出て、呼び出された指定の場所に行く。
人気のない校舎裏。
空を見上げればいつの間にか日は沈んで、寝起きのせいか少し肌寒い。
「おーい!なんで電話出てくんねぇんだよ~!」
「へ?……あ、ちなからめっちゃ着信入ってるわ。音消してた…」
「さてはアレかぁ~?とうとう紬ちゃんの全部手に入れちゃった系!?」
ニヤニヤ笑うちなにはとりあえず「バカ」って言葉と蹴りがお似合い。
紬は朱音と楽しそうに話してるし……。
バンー………
大音量とともに空に散らばったカラフルな花火。
そうだ……実行委員で花火やるって言ってたな~。
「めっちゃキレイ♪」
「朱音ちゃんの方が比べモノになんないくらいキレイだよ♪」
「ちょっ!そんな冗談でからかわないでー」
堂々と言えるちなが羨ましい………
俺は花火よりも紬の横顔見てる方がよっぽどキレイで好き。
「風真~……キレイだね」
「紬の方がキレイだよ」
「日波くんみたいなこと言わないでっ!」
「本気だし!」
花火は俺らを照らし出す。