俺は二面紳士
少しふっくらした凛は ふんわりしたボブヘアーで、左小指にハートが繋がったピンキーリングをしている。
癖のように、リングを親指で回す仕草は凛が照れている証拠。
弁当屋で俺を見た凛が案の定リングを回し出す。
「 紳士くん、今帰り?」
「 凛ちゃんは?」
「 私も… 偶然だね。なに注文するの?」
「 野菜炒めかなぁ~ あとキムチと、豚汁だな 」
俺は豚汁にキムチを入れるのが好みなんだ。
凛は幕の内。
「 せっかくだし、一緒に食べない?」
凛からの誘いに笑顔で返事をした。
前から告白したいと思っていたが機会がなく、ずっと片想いだった。
ただ、俺は名前の通り紳士に周りには見られているから、凛が本当の俺を知ったらと思うと… 不安だ。
弁当を手に、俺の車で公園まで来た。
天気は晴れだったから月も明るくはっきりと見える。