君が教えてくれたこと

朝比奈たちが携帯を片手に何かをしているようだった。

「おいおい、ちゃんとポーズしてくんねーと。三谷くん」

「良い写真が撮れねえだろーが」

「ちゃんと抑えてろよ~、結城」

結城?思わず耳を疑う。

「嘘だろ。」

目の前の光景が信じられない。俺の知ってる結城じゃない。

「はいはい、次はズボンだな」

笑みを浮かべながら楽しむ結城の顔に俺は思わずゾッとした。

「脱がせ、脱がせ」

三谷は、パンツのみの状態になり、顔は涙と鼻水で濡れていた。
携帯カメラのシャッター音が鳴り響く。

「イイ体してるじゃん、三谷くん。最高だよ」

腹を抱え、笑いながら話す朝比奈に

「パンツも脱がそうぜ。」

と笑いながら言う結城。俺は信じられずにいた。

「悠斗、悪い事言ったな。ごめん」

クラスメートが俺に謝る。

「え、ああ、良いんだ。悪いな、疑って。」

何故、他の奴は止めない?見て見ぬフリすんだ。

でも俺も此処で見てるだけで、立ちすくんでるだけだ。

情けない。俺。




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