君が教えてくれたこと


親と俺との会話が消えた。

それから

1ヶ月くらい経った頃だった。

家族会議が開かれた。

父も母も、近所からの嫌がらせに耐えかねたみたいだ。

それは俺も同じだ。

「引越しをしないか」

父が真面目な顔で口を開いた。

「お前の事を知らない所へ行こう。」

「貴方が結城くんを殺したのは、何か理由があったのでしょう?」

父と母は、話をしなくなったから
俺の事をもう必要としていないのかと思っていた。

「父さんも母さんもお前の事を一番知っている」


泣いた。俺はこの日。自分の部屋で、朝になるまで。

それから深く、眠りについた。

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