夜蝶 Ⅱ



ずっとずっと…
五百蔵を許せなかった。



あの夜殺してしまえば良かったと
何度も思った。



けど…



殺さないで良かった…
あの夜死なないで良かった…



五百蔵からこの言葉を聞けて良かった…
生きてこの言葉を聞けて良かった…



後悔ばかりして
恨み続けていたこれまでの自分が



どこかえ消えていくように
五百蔵への怒りが消えた。




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