夏月一会
私だった。
次のページも、その次のページも……そこに描かれていたのは、私の絵だった。
笑ってる私、キッチンに立っている私、食事をしている私、バルコニーで洗濯物を干している私、景色を眺めている私、海で風に吹かれている私……
全部、凪といた時の私だ。
凪の目に映っていた私…だ。
「いつの間に……」
思わず私は呟いた。
私の知らないうちに描かれていて、それで凪は見せてくれなかったんだ……
私は最後のページを捲る。
そこには、絵ではなく、文字が書かれていた。
私宛の、凪からの言葉だった。