夏月一会
第二章
縮まらない距離
凪と私は、日に日によく話すようになった。
元々、従姉弟という繋がりがあったせいか、お互いに変に気を使うということはしなくなっていた。
「麗海さん。僕、パスタ食べたいな」
食事の時、凪は言った。
こんな風に、凪は食事のメニューのリクエストをすることが多かった。
「まだお昼食べてるのに、もう夕飯のこと?」
「今思いついたんだ。…だめ?」
凪は首を傾げながら私の表情を窺う。
その仕草が少し可愛く思えて、私は少し笑った。
「いいよ。何のパスタがいい?」
「何がいいかなぁ……あ、貝類が食べたい。あっさり系で」
「じゃあ買出し行かないと。早く食べてよ?片づけないといけないから」
「うん」
.