夏月一会
第二章

縮まらない距離


凪と私は、日に日によく話すようになった。


元々、従姉弟という繋がりがあったせいか、お互いに変に気を使うということはしなくなっていた。





「麗海さん。僕、パスタ食べたいな」

食事の時、凪は言った。


こんな風に、凪は食事のメニューのリクエストをすることが多かった。


「まだお昼食べてるのに、もう夕飯のこと?」


「今思いついたんだ。…だめ?」

凪は首を傾げながら私の表情を窺う。

その仕草が少し可愛く思えて、私は少し笑った。



「いいよ。何のパスタがいい?」


「何がいいかなぁ……あ、貝類が食べたい。あっさり系で」


「じゃあ買出し行かないと。早く食べてよ?片づけないといけないから」


「うん」


.
< 16 / 121 >

この作品をシェア

pagetop