夏月一会
先日、一年前に事故で亡くなった私の両親の命日に、伯父が墓前にやってきたのが、ことの始まりだった。



私の伯父(私の父の兄で、凪の父親)は、代議士をやっている。


それで多忙な人らしく正月や、祖父母の法事など、親戚間の集まりには不参加なことが多かった。


私自身とは、今までに何回か会ったことがある程度で、兄弟であるはずの父の葬儀の時でさえ、どうしても抜けられない用事があると言って、顔も出さなかった。



七年前に、伯父の奥さんが亡くなって、そのお通夜には行ったけど、私自身その伯母とは会ったことがなかったし、私にとって伯父一家は、疎遠な親戚でしかない。


それがどうして、突然私の目の前に現れたのか、不思議でならなかった。



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