夏月一会
好きにしていいと言われ、せめてもっときれいなら少し寛げるのに…と思った。



部屋は本当にたくさんあって、その中の使いやすそうな、ベッドのある客間らしき一室を選んだ。

ここも暫く使ってなかったという様子でほかと同様に埃まみれの上、少しカビ臭かった。



こんな部屋は使えない。

それどころか、今この部屋の状態が耐えられない。


私は、まず自分用の部屋から掃除していくことにした。




よく考えてみれば、凪の家は金持ちだから、生まれたときから身の回りのことは家政婦にやってもらっていたのだろう。

だからきっと掃除の仕方が分からなかったんだ。

だとしても、どのぐらいの間ほったらかしにしていたんだろうか。

普通、こうまでなるとは思えない。


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