夏月一会


「え……?」

伯父の言うことの意味が分からなかった。


「どういうことですか……?」

私は、今の思いのままに伯父に聞いた。


しかし、伯父は答えない。


「……君は、あれと暮らしていて、何か間違いは起きなかったか」

私の方が聞いているのに、伯父は私に聞き返してくる。


「え……」

私は固まってしまう。

一体…突然何を聞いてくるのか……


「間違いって……」

またしても言ってる意味が分からない。

伯父は、一体何を求めているのか……


「仮にも男と女なんだ。…そういうことはなかったかと聞いているんだ」


「なっ……!」

顔が赤くなるのを感じた。

伯父は、私と凪に、男女の…体の関係を持ったかどうかを聞いていたのだ。


「こんなことを聞くのは失礼だと承知の上だ」

しかし、伯父の表情は、真剣なものだった。


「そんな……凪とそんな関係なんて…ありません!」

私は伯父のように真剣に答えられるはずもなく、それだけ答えて、下を向いた。



「それならそれでいい。…そして……もう二度とあれと関わるな」



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