夏月一会
消せない繋がり
「このことは、誰にも口外しないと誓ってくれ。私にも議員としての立場がある。…それに、君の父親がしたことも無意味になる」
私は、それ以上何も言えず、ガクリと頭を下げた。
頷いたわけではない。
もう、頭を上げているような力がなかった。
下を向いていて伯父の靴の足が見えた。
その足が踵を返し、私から離れていった。
足音が聞こえなくなって、私はすぐ後ろにあった長椅子に、崩れるように座りこんだ。
静かに、涙が頬を伝った。
凪……
私は…私はね……
ただ、あなたに近寄りたかった。
あなたのことを知って、側に居たかった。
いつの間にか、あなたのことが、好きになっていたから……
なのに……こんなのってないよ……
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